スーパーカブのエンジンがかからない!点火系と燃料系のダブルトラブル解消記(型番:C50D2、フレームNo.AA01-1300001~)

スーパーカブ(C50D2/AA01)のエンジン故障修理。画像内に「点火系と燃料系のダブルトラブル」の文字。

念願のスーパーカブ・カスタムがついに完成! ガソリンを入れて試走へ!と意気込んでいたのですがエンジンかからず。現実はそう甘くはなかったようです。結局、点火系から燃料系まで、まさかのダブルトラブルに見舞われることに...今回は、改造記を追い越して先に書き上がってしまった、この必死のトラブル解消ドキュメントを紹介します。よろしかったらご覧ください。

プラグがスパークしない!

カスタムを終え、逸る気持ちを抑えながらガソリンをタンクへ注ぎ込む。 キーをONにし、いざ始動。

キック、キック、キック……

しかし、エンジンが目覚める気配はありません。 無理もありません、数年間も眠っていた個体。そう簡単には問屋が卸さないようです。

「まずは基本から」と、プラグのスパークを確認してみると……。

あぁ、火花が飛んでいない!

じゃ新品のプラグに交換して...

飛ばない (T_T)

まいりました。

原因どこかな~?

P.V.Aを購入

原因がどこの箇所かを突き止めなければ...

パルスジェネレータ、エキサイタコイル、CDI、イグニッションコイル等々...

手っ取り早くCDIとイグニッションコイル(+プラグキャップ)を新品交換してしまうことも考えましたが、せっかくならどこに原因があるのかを把握したくなり、意を決して興和精機のピークボルトアダプター(以下、PVA)を購入することにしました。

これでイグニッションコイルの一次電圧、エキサイターコイル電圧、パルスジェネレーター電圧の瞬間的な最大電圧(ピークボルト)を見てみます。

PVAの点検

・デジタルテスター 家庭電源100Vの測定 → AC100V表示 点検OK

表示はAC約104V

このデジタルテスターは数年前にアマゾンで購入したクランプメーター。アプリも付いてて大変便利です。

・デジタルテスターをDCレンジにしてPVAを接続し、AC100Vを測定 → DC142Vを表示 点検OK

こんな感じになりました。

原因調査

調査1.
今回のカスタムで電気配線を一度バラバラにしているので、まずはCDI周りの誤配線がないか、しっかり繋がっているかをテスターで確認。……結果、問題無し。

調査2.
イグニッションコイルの一次電圧 → DC100V以上なのでOK

調査3.
エキサイターコイル電圧 → DC100V以上なのでOK

調査4.
パルスジェネレータ電圧 → DC 0.7V以上なのでOK

自分の中では「CDIから出力されるイグニッションコイルの一次側」に原因があると予測していました。しかし、テスターでの確認結果はシロ。問題はなさそうです。

となれば、残る怪しい箇所は……。 ということで、イグニッションコイルとプラグキャップを新調することにしました。

イグニッションコイルとプラグキャップを交換!スパークはどうだ?

イグニッションコイルとプラグキャップが届きました。

イグニッションコイルとプラグキャップを取り付けて確認です。

スパークしました。

ひと安心!

本来ならイグニッションコイルとプラグキャップ、どちらが真犯人か調査するべきところですが……。そんな調査は後回し!今は一刻も早く、完成したカブの産声が聞きたくなってしまいました。

PVAの購入は、結果だけを見れば遠回りだったかもしれません。下流から順に部品を替えていけば、もっと安く点火系を復帰させることもできたでしょう。 ですが、PVAを使ってそれぞれの出力を自分の目で確認できたことは、大きな収穫でした。機能や仕組みを実体験として学べたと思えば、十分価値のある買い物だったと満足しています。

ついでにCDIも交換!

スパークは飛んでいたため、点火系はひとまず問題ないと判断しましたが、念のためCDIも交換することにしました。
当初は純正CDIを選ぶ予定でしたが、シーエフ・ポッシュ製のCDI(850064)は、点火タイミングの最適化によって出力特性を維持しつつレスポンス向上が期待できるとのことで、こちらを試してみることにしました。

選定間違えのないように型番とフレームナンバーを確かめ、パーツナンバーを検索して購入です。

型番:C50D2、フレームNo.AA01-1300001~

納品されました。

なんとか装着できました。

第二の峠到来!点火系はクリア、次は燃料系だ!キャブ分解洗浄編

点火系は一通り手を入れ、スパークも確認できました。
これでようやくエンジンがかかるはず――そんな期待が一気に高まります。

はやる気持ちを抑え、キーを回し、キック、キック、キック、キック...

うんともすんとも言わない。

なんか、嫌な予感

フューエルコックまではガソリンがきていましたが、その先には行っていないようなのでキャブを取り外し、分解清掃をすることとなりました。

実はこのキャブ、純正品でなくPZ19(社外製)なのです。前の更にその前のオーナーが純正品の調子が悪くなったのでこのPZ19を取付けたそうです。

これがコックの下にあるストレーナーです。もうドロドロです。数年放置していたバツです。(T_T)

コックの部分もドロドロ

フロートチャンバーの中が凄いことになっています。これじゃー無理。(T_T)

メインジェット、メインジェットホルダー、スロージェットを取り外して洗浄

とりあえず、ジェットをはじめ諸々の部分をきれいにする努力はしてみました。フロートセット(フロートバルブ)の部分の感触がイマイチ...

一通り洗浄したのでこれで始動確認

キャブを車体に取付

スロットルバルブの位置を確認して車体にセット

ガソリンがうまく流れない!PZ19キャブ復活せず断念

やはりガソリンがうまく流れない。フロートバルブあたりが怪しいが、一刻も早くエンジンの音を聞きたいという気持ちが勝り、このPZ19の復活をここであきらめ、迷わず新規購入を決めました。

キャブレターキットKEIHIN PB16 購入&取付

最初は同じ安価なPZ19を買い直そうと考えました。しかし、この先の性能向上を見据えたとき、再びキャブレターの不調で悩みたくはありません。ここは遠回りせず、信頼の『スペシャルパーツ武川 キャブレターキット』を思い切って導入することにしました。

当たり前だけどフロートチャンバーの中もすっごく綺麗~

そしてフロートの動きがとても軽くて滑らか~ 

メインジェットを#75から#90に、スロージェットを#35から#38に変更

当たり前だけどフロートチャンバー内もすっごく綺麗~

付属のスロットルケーブルをスロットルグリップとスロットルバルブに取付けて

スロットルバルブを目視確認

インテークマニーホールドを取付け

エンジンにキャブを取付け

キック!エンジン始動~うれしい~

エアクリーナーはとりあえず付けない状態で……。 ここでもしエンジンがかからなかったら、今度こそ心が折れてしまう。

はやる気持ちを抑え、神様に祈るような思いでキック、キック……。

『ブロロローッ!』

ついに、エンジンがかかりました! 震えるほど嬉しい。この瞬間、これまでの苦労がすべて吹き飛ぶような大満足の結末でした。

情報量はゼロ。でも、あまりの嬉しさにシャッターを切っていました。自分の記録用に撮った、排気になびくビニール紐の写真です。ついに、このカブが息を吹き返したんだと実感した瞬間でした。

アイドルストップスクリュー&エアースクリューでアイドリング調整

新品のキャブはコックの部分がRES仕様になっていないので古いキャブからコックを取り外して取付

ついでにバッテリーも交換

バッテリーも大分古くなり電圧がめちゃくちゃ下がっているので台湾ユアサのバッテリーに交換です。

シールド型 バイク用バッテリー [YT4L-BS高性能版] YTX4L-BS ブラック

まとめ

この一台に注いだ熱量は自分でも驚くほどでした。最初は甘く見ていたスーパーカブですが、蓋を開けてみれば教わることの連続。今はただ、この産声を二度と絶やしたくないという気持ちでいっぱいです。二度と不動車に戻してしまわないよう、日々の管理や暖機運転を楽しみながら、大切に乗り続けていきます

たかくら24でした。